西洋インテリアの歴史〜近世・バロック編〜
イタリアのフィレンツから始まったルネッサンス運動。こちらをベースに古代の流れを色濃く汲んだシンメトリーが美しいルネッサンス様式の次は、近世バロック時代のご紹介です。同じ近世でどのように変化したのでしょうか?
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バロック時代の特徴
カソリック教会の勢力が回復してきたことに伴い、ローマで起こりました。また教会の力が強くなってきたのですね。バロック様式とは、また勢力を増してきたカソリック教会と専制君主の宮廷を中心に栄えた造形芸術のことを指しているのです。
16世紀、ミケランジェロの建築や彫刻の中にもバロック様式の色が入っていたようですが、一番栄えたのは17世紀後期のことになります。
ルネッサンス様式は古典の流れを組み、シンメトリーといった厳格な印象の強いものでしたが、バロック様式はもっと自由で躍動感に溢れていることが特徴です。
芸術としてだけではなく、教会や宮廷の権威を表すため、建物の規模もどんどんと大きくなっていきました。それに伴い、中の空間も大きくなっていったのです。また、ますます装飾性の強い内装と家具になっていきます。
バロック様式の家具
ルネッサンス時代初期にはなかった特徴として、カリアティードという女性や女神の像の柱を用いたり、ジャコビアン様式と言われる螺旋状の脚をつけたりする点が挙げられます。
また家具の中でもとりわけ椅子に関しての特徴をご紹介しますと、豪華な彫刻をほどこし、背もたれの高い形が流行しました。
素材も皮だけではなく、座席の部分や背もたれに籐細工を用いたり、ゴブラン織りの張り地を施したりなどの変化が起こりました。イタリア製の家具はステータスのシンボルにもなっていたそうです。
代表的な建築物
ローマのバチカン市に造られた聖ピエトロ大聖堂がバロック様式の代表的な建築物です。カソリック教会の権威を示すものでもありました。今でもカソリック教会の総本山として、また美しい建築物の代表として、テレビや雑誌でも多々紹介されています。私も実際に見ましたが、印象的な天蓋付き祭壇広場の列柱構造にも、特徴があるそうですよ。
宮廷としてはイギリスのヴェルサイユ宮殿が有名ですね。華やかな宮廷様式の代表として、ルイ14世様式と呼ばれているそうです。
代表建築としてあげられるものをざっと見ても、見ごたえのあるものが並んでいますね。豪華であればいい、というわけではありませんが、この時代の装飾の美しさは一見の価値があるのではないでしょうか。
次は近世の最後の様式、ロココ様式についてご紹介します。